
毎年開催しております北海道代協釧路支部主催のオープンセミナーですが、今年は下記の通り内容をグレードアップしスペシャルセミナーとして開催する運びとなりました。
開催日時 令和7年11月28日(金) 受付 15:00~ 開始 16:00~17:30
会 場 センチュリーキャッスルホテル 2階 平安の間
第 1 部 テーマ『保険業界の最新動向と今後の保険代理店のあり方』
講師:日本代協 金澤 亨 氏
第 2 部 テーマ『変化への備えは? どう対応する?』(トークセッション)
司会:山内副支部長

~日本代協専務理事が今後の業界と私たち代理店のあり方を語る~
監督指針も一部発表された中で、今後の損害保険業界について金澤専務理事にお話ししていただきます。
一般社団法人 日本損害保険代理業協会 専務理事:金澤 亨 氏




Ⅰ.一連の不祥事判明後の代協の対応
◆日本代協のスタンス
・確保保険会社の対応を注視するも、「我々自身は自社のお客さまとしっかり向き合い、いかにお客さまに価値提供していくかに注力していくべき」
(2023年8月 小田島会長メッセージ)
◆有識者会議開催までの金融庁とのやり取り(2022年3月)
・代協はプロ代理店だけの団体ではない
・企業内代理店の実態について
・手数料ポイント制度についてい
・中小規模の代理店の感情
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会議前

Ⅱ.その後の業界の動き
損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議(金融庁:霞が関にて)
保険金不正請求事案と保険料調整行為事案の発生を受け、制度・監督上の対応を議論するために設置(2024年3月~6月)
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金融審議会
損害保険業等に関する制度等ワーキング・グループ(金融庁)
有識者会議の報告書を受け、法律事項を議論するために設置(2024年9月~12月)←3か月後
代理店業務品質評価に関する第三者検討会(日本損害保険協会)
有識者会議の報告書を受け、損害保険会社による代理店への指導等の補完を目的として、「第三者による代理店業務品質評価を行う業界共通の枠組み」の構築に向けた検討を行うために設置(2024年9月~2025年3月)。
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自己点検チェックにつながる
有識者会議(有識者会議報告書より抜粋)
◆例えば、保険代理店の業務品質を保険代理店と利害関係のない中立的な第三者が一定の基準に基づいて公正かつ適切に評価する業界共通の枠組み(以下「第三者評価」という。)を設けることを検討すべきである。
◆損害保険会社においては、代理店手数料ポイント制度について、
ー「規模・増収」に偏ることなく「業務品質」を重視する
ー「業務品質」の具体的な指標について、損害保険会社の事務効率化ではなく、顧客にとってのサービス向上に資するものとする
ことを、関係者と議論し、検討していくことが求められる。
金融審議会WG(WG第1回資料より抜粋)
◆有識者会議の報告書を踏まえ、さらなる検討が必要と考えられる以下の論点について、顧客本位の業務運営や健全な競争環境を実現する観点から、どのような課題があり、どのような制度上の対応が必要と考えられるか。
ー大規模な保険代理店における募集品質の向上のための対応
ー保険仲立人の活用促進
ー企業向け火災保険の赤字継続への課題
ー損害保険会社による便宜供与や企業内代理店の目指すべき姿等について
保険業法改正(2025年6月6日公布)
◆損害保険代理店に対する体制整備義務の強化、保険会社等に対する体制整備義務の強化、保険会社等から保険契約者等への過度な便宜供与の禁止が規定された。
◆特定大規模の乗合損害保険代理店(20億くらい)に対して、法令等遵守責任者・統括責任者の設置や苦情処理体制の整備が求められることとなった。
自動車修理業等を兼務している特定大規模乗合損害保険代理店には、更に兼業業務を適切に監視する体制が求められる(利益相反の管理)。
代理店業務品質に関する評価指針(すべての代理店に関係)
(2025年3月28日 日本損害保険協会HPに公開)
①基本的考え方
・すべての顧客にとって適切な営業活動が行われるよう、これまで以上に業務品質を重視した顧客目線での代理店評価が実施され、また、その業務品質レベルが継続的に向上していくよう、業界共通の評価基準を策定し、損保会社や代理店と利害関係のない中立的な第三者が評価運営を行う仕組みを構築。
・代理店の業務品質のうち顧客本位の業務運営に関する項目・内容に沿って構成し、かつ、最低限必要な業務品質が確保されているかを判定できるようなものとする。
②自己点検チェックシート
・すべての代理店を対象に、新たな自己点検チェックシートの取組みを推進し、保険会社との「対話」を通じた主体的・継続的な課題の発見と改善を通じて、社会からの一層の信頼向上へとつなげていく。
・保険会社と代理店との「対話」につながる材料となるよう、日常業務における取組み内容を確認するため、特に重要な評価項目については記述式での回答を求める。
・2026年度からの本格運用を予定しており、2025年度はトライアル運用期間。
③2025年度の取組みにより期待される効果
・代理店および損保会社において、制度に関する理解が促進し、2026年度からの本格運用に向けた準備が開始されること。
・特に代理店においては、記述式設問への対応準備が進むこと(どのようなことを回答記入する必要があるかをイメージできるようになること)。
・損保会社においては、特に代理店と接する社員が、代理店との対話に必要となるスキルを認識できるようになり、適切な社員教育等が進むこと。

代理店に求められる対応
◆「自己点検チェックシート」の取組が最も大事
・本当は、2016年の保険業界改正の時に求められていたことが、今回明確化されたものと考えるべき。(9年前にやらなければならなかった、今まで曖昧だった)
◆代理店は金融事業者である(FD)
・チャネル、規模を問わず、業界共通に求められている内容であるとの認識が必要。
◆比較推奨方針(ビックモーターの影響、ここだけの話、まだ打合せ中)への対応について
→販売者がするもの(継続契約も)
イ方式:すべて説明
ロ方式:意向を聞き、絞る
ハ方式:今後どうなるか?まだ不明

Ⅲ.今後の保険代理店のあり方
詳細はトークセッションで!!

第二部トークセッション『変化への備えは?どう対応する?』
一般社団法人日本損害保険代理業協会 専務理事:金澤 亨 氏
一般社団法人北海道損害保険代理業協会釧路支部 支部長:加茂 寛介 氏
ファシリテーター 釧路支部幹事:櫻井 英裕 氏
2016年に業法改正があり、5/26にスタート
加茂支部長:9年前に改正があり、良い機会ととらえ実際に運用できるマニュアルを独自で作成し、ルール化した
金澤専務理事:これからやっておくべきことは、自己点検シート。9年前にやっておくべきことだった→金融庁は競争させようとしてる。※今まではフワッときてしまっていた
加茂支部長:自己点検チェックシートは3か月に1回、繰り返し実施してる。改善点は1個ずつ少しずつ実施、続けていくことが重要
櫻井ファシリテーター:自己点検チェックシートで一番ダメなのは、すべて「はい」にチェック
櫻井ファシリテーター:保険代理店の業者は以前はよくわからなかったが、今は金融事業者となった。不思議なのは保険会社のポイント制度に金融庁が挟んできた
加茂支部長:ポイント制度は、ポイントをどう取るか、どう稼ぐか、を話し合ってきめてる、それが業務品質につながり、お客様満足度につながると思う
金澤専務理事:色々な見解があるが、ポイント制度は人事制度のようなもの。業務品質に関する評価指針はしっかりと見ることが大事。
櫻井ファシリテーター:今後、代理店として必要なことは?
加茂支部長:お客さまにどう求められるか、お客さまの利益をどう伝えるか、若い人にどう対応していくか、金融事業者として総合的に柔軟な対応していくことが必要。規模ではない
金澤専務理事:いかに選ばれ続けるか、終わりはないので、いかに選ばれるかを探しつづけれるか、これからも活き活きと仕事するかどうか、若い人が働きたいと思うような代理店を目指すことが必要

比較推奨はまだまだこれからどうなるのか、まだ不明
契約の更新するときにも一回一回、比較推奨を毎年実施しなくてはいけないのか、など難しい議論にもなる
ただ金融庁は、お客さまには必ず意向がある、と話している。
とのことでした。
過去のさまざまな不祥事より法改正などがあり、今後の体制整備もなかなか難しいと苦戦している代理店も多いと思いますが、これまでどのような話し合いが行われてきたのか、わかりやすくご説明くださいました。感謝です

会員の皆様にはおかれましては、時節柄お忙しい中とは存しますが、多くのご参加をいただきました。
ありがとうございます!





